今年の10月よりカスタマーハラスメントや、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(いわゆる「求職者等セクハラ」)の防止措置が事業主の義務となることをご存知でしょうか。
令和7年6月11日に労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)が公布され、令和8年10月1日に施行されます。
既に職場のパワーハラスメント対策、セクシュアルハラスメント対策、妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント対策が義務化されているところですが、これにカスタマーハラスメント及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が加わることとなります。
今回の法改正により、事業主がハラスメント対策として講じなければならない措置は以下の通りです。
カスタマーハラスメントの防止のために講ずべき措置


カスタマーハラスメント対策を講じる際、事業主は、カスタマーハラスメントを防止するため、消費者の心理や障害特性等についての資料の配付や研修等の実施により、労働者の顧客等への理解を深めることが望ましいとされています。
顧客への理解を深めることを目的として、「消費者の心理」や「障害特性」、「認知症」に関する資料を紹介するリーフレットも厚生労働省により公開されています。
求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止のために
講ずべき措置


「求職者等」の範囲については、当該事業主に雇用されようとし、その意思を表示している「求職者」に加え、当該事業主が行う労働者の採用に資する活動に参加する者や、教育実習、看護実習等の実習を受ける者とされています。
したがって、求人に応募した人や採用面接を受ける人だけでなく、会社説明会やインターンシップの参加者も含まれます。
また、「求職活動等」とは、求職者が行う求職活動や求職者に類する者が行う職業の選択に資する活動を指し、SNS等のオンラインを介したものやオンライン上で行われるものも含まれます。
指針、事例
令和8年2月26日には厚生労働省がカスタマーハラスメント防止指針及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針を公布しています。
長い文章ではありますが、リーフレットの内容がさらに詳細に記載されていますので、事業主は一読しておくとよいでしょう。
実務においては「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」のQ&Aも参考になります。
さらに、厚生労働省のハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、カスハラや求職者セクハラを含め、職場で起こり得るハラスメント問題に関する様々な情報発信がされています。
ハラスメントの定義など基本情報のほか、解説動画や裁判事例、研修資料が公開されており、事業主が講じなければならない具体的な措置や、実際に裁判で扱われたハラスメントの事例について確認できます。
またハラスメント対策を実施する人事担当、ハラスメントと言われた管理職、ハラスメントを受けて悩んでいる人のそれぞれに向けた対策や対処方法、Q&Aが公開されていますので、事業主が措置を講ずる際に役立つのみならず、労働者の関心と理解を深めるためにも活用できます。
まとめ
職場におけるハラスメント防止のための施策は年々強化されているため、特に管理監督者などといった社内で上位の職位にある人は、意識をアップデートしていく必要があります。
労働者が安心して働ける環境を形成するため、「あかるい職場応援団」にて公開されている研修資料等を活用し、ハラスメント防止に取り組みましょう。
◆参考
あかるい職場応援団|厚生労働省(ハラスメント裁判事例、他社の取組などハラスメント対策の総合情報サイト)
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