労働基準法
就業規則は、なぜ作成しなければならないのでしょうか。
法律「労働基準法」では次のように規定されています。
就業規則の作成状況
企業の99.1%が就業規則を作成している。
就業規則の作成は、「企業全体として共通で作成している」との回答が93.0%と多数を占める。
調査対象
常用労働者50人以上を雇用している全国の民間企業20,000社(農林漁業を除く)。
※総務省統計局「経済センサス(平成21年基礎調査)」の分布にあわせて、東京商工エリサーチの企業データベースより、産業・従業員規模別に層化無作為抽出。
有効回収数
有効回収数:5,792件 / 有効回収数:29.0%
就業規則は、なぜ作成しなければならないのでしょうか。
法律「労働基準法」では次のように規定されています。
なお、個人経営で労働者5人未満の事業所は、社会保険の適用はされません。
事業主が社会保険の適用を希望し、適用事業所であったとしたら被保険者になるはずの労働者2分の1以上の同意を得た場合は、「任意適用申請書」「任意適用申請同意書」も新規適用届と一緒に提出し、管轄の年金事務所長の認可を受けたときは任意適用事業所になります。
労働基準法 第89条(作成及び届出の義務)
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
「常時」10人以上とは、「常態として」10人以上の労働者を使用しているという意味で、「時として10人未満」になることは考慮しません。
また人数の要件については、会社全体ではなく事業場単位で判断し、正規社員のほか、状態として使用するパートタイムやアルバイト等を含みます。
「行政官庁」とは、労働基準監督署(長)のことです。
「次に掲げる事項」とは、以下の項目です(条文の一部を加筆または省略しています)。
労働基準法 第89条「次に掲げる事項」について
1
始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
2
賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3
退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
3の2
退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
4
臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
5
労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
6
安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
7
職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
8
災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
9
表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
10
前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
第1号から第3号までは、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」、
第3号の2から第10号までは、定めをする場合には記載しなければならない「相対的記載事項」です。
このように法律に定める項目の他、会社には従業員(ここではわかりやすくこう呼びます)に守ってほしいルールや決まりごとがたくさんあります。
入社時の説明だけで、従業員がすべてを理解して行動することができるのでしょうか。とても無理なことと思います。
会社、従業員双方で、「できていない」「わからない」などと不満を抱えたまま業務を遂行することは、お互いに良いことはありません。
従業員を就労させるときは、労働条件、職務規律などのルールや決まりごとを、書面にして周知させることが必要です。
常時10人未満の事業場は、就業規則の作成・届出の義務はありません。
しかし、法令上の義務がないからといって、就業規則の作成をしないのは望ましいものではないことは、前述のとおりです。
「就業規則に準ずる規則」を作成し、従業員への周知によって、「就業規則」と同様の効力が発生します。
もちろん、労働基準監督署(長)に届け出ることもできます。
なお、届出義務のある常時10人以上の事業場が届出していない場合は、同法第120条の規定では罰金30万円以下に処するとしています。
その当時は”良し”とされていた規定も、法律改正によって、不具合や場合によっては違法となっていることもあります。
法律改正や、社内の実態に合わせて、就業規則を改定する必要があります。
子の看護休暇、介護休暇の時間単位の取得について規定していますか?
就業規則は、職場のルールブックです。
会社の秩序を保持し、事業活動を組織的能率的に行うためにも、定期的な見直しが必要です。
また、就業規則は作成した場合だけではなく改定した場合も、届出が必要ですのでご注意ください。