3月のコラムでご紹介させていただきましたように令和7年は4月1日と10月1日に段階的に育児・介護休業法の改正が施行されることとなります。
※↓3月のコラムはこちらー・-・-・-・-・-・-・-・
改正の概要は次の通りです。
1.子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
2.育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
3.介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等
今回は10月1日より施行される1.子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充についてご紹介します。
施行内容
① 柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務に
(1)育児期の柔軟な働き方を実現するための措置
事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、以下5つの選択して講ずべき措置の中から、2つ以上の 措置を選択して講ずる必要があります。労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用することができます。

※事業主が講ずる措置を選択する際、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。
(2)柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認
3歳未満の子を養育する労働者に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、事業主は柔軟な働き方を実現
するための措置として(1)で選択した制度(対象措置)に関する以下の事項の周知と制度利用の意向の確認を、
個別に行わなければなりません。
※ 利用を控えさせるような個別周知と意向確認は認められません。

■ 家庭や仕事の状況が変化する場合があることを踏まえ、労働者が選択した制度が適切であるか確認する
こと等を目的として、上記の時期以外(育児休業後の復帰時、短時間勤務や対象措置の利用期間中など)
にも定期的に面談を行うことが望ましいです。
② 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務に
事業主は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と、労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する以下の事項について、労働者の意向を個別に聴取しなければなりません。 ※意向聴取の方法は、面談や書面の交付等により行う必要があります。

■ 意向聴取の時期は、①、②のほか、「育児休業後の復帰時」や「労働者から申出があった際」等にも実施することが望ましいです。
聴取した労働者の意向についての配慮
意向の配慮を行う際は、例えば勤務時間帯・勤務地にかかる配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間等の見直し、 労働条件の見直し等について、自社の状況に応じて、労働者の意向に配慮する必要があります。さらに、配慮に当たって、以下のような対応をすることも望ましいです。 ■ 子に障害がある場合等で希望するときは、短時間勤務制度や子の看護等休暇等の利用可能期間を延長すること ■ ひとり親家庭の場合で希望するときは、子の看護等休暇等の付与日数に配慮すること等


注意点
4月1日より施行されたものと異なり、10月1日に施行されるものはどちらとも「義務」となっています。自社の状況に応じた措置を選択し、就業規則、社内規定等の見直しを通して子育てや介護を行う従業員が働きやすい職場環境作りの機会にしてみてはいかがでしょうか。
◆参考、引用
引用:育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法の2024(令和6)年改正ポイント|育児休業特設サイト|厚生労働省
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