近頃、ニュース等で「年収の壁」という言葉を耳にする機会が増えているように思います。
扶養の認定要件は多くの関心を集めているトピックですが、社会保険については、今年4月以降、被扶養者認定の取扱いを一部変更するとの通知を厚生労働省が出しています。
年間収入の基準額が変更となるわけではありませんが、今後の手続きに影響がありますので主なポイントをご紹介します。
変更点
・変更前(現在)
被扶養者となる方の年間収入については、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、所定外賃金の見込みを含めた今後1年間の収入見込みにより判定
・変更後
被扶養者について、「労働条件通知書」等の労働契約内容が分かる書類に記載のある賃金から見込まれる年間収入をもって判定する
⇒そのため、当該書類上に明確な規定がなく予め金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は、年間収入の見込額には含まないこととなります。
・適用開始日
令和8年4月1日
・条件
ただし、上記の対象となるのは、給与収入以外に他の収入が見込まれない場合に限られます。
他の収入(年金収入や事業収入等)がある場合は、従来どおり勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなりますのでご注意ください。
なお日本年金機構のホームページでは、取扱いにおいて必要な添付書類等は追ってお知らせすることとされています。(2026年1月21日現在)
任意継続被扶養者に関する取り扱いは、全国健康保険協会ホームページ(外部リンク)をご確認ください。
Q&A
厚生労働省は「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A」(外部リンク)を作成しています。
以下、一部を抜粋します。
Q.労働契約内容が確認できる書類がない場合、どのように年間収入を判定するのか。
A.労働契約内容が確認できる書類がない場合は、従来どおり、勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。
Q.認定対象者の「給与収入のみである」旨の申立てはどのように求めるのか。
A.健康保険被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄に認定対象者本人が記載する方法や、健康保険被扶養者(異動)届の添付書類として認定対象者本人が作成した「給与収入のみである」旨の申立書を添付させる方法等により対応を行ってください。
Q.本通知による取扱いは令和8年4月1日から適用とのことだが、認定日を基準として取り扱うことで良いか。
A.本通知による取扱いは、認定日が 4 月 1 日以降となるものについて適用されます。なお、令和8年4月1日より前に遡って認定する場合は、従来の取扱いにより判定することとなります。
詳細は、4月以降の手続きの前に確認しておきましょう。
労働契約内容の確認
2026年4月以降は、労働契約段階で見込まれる収入から被扶養者の認定が行われることとなります。(ただし、給与収入以外の収入見込みがない場合に限ります。)
したがって、自社の従業員に扶養家族がいる場合は、当該扶養家族の年間収入見込みを判定するため、収入は給与のみかどうかの確認や、労働契約内容が確認できる書類の提示を求めるといった対応が必要となってきます。
また労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働条件の変更ごとに当該内容に基づき被扶養者に係る確認を実施することが求められています。
被扶養者である従業員(パートやアルバイト等)を雇用している場合には、条件変更の都度、労働条件通知書を作成して従業員へ交付するようにしましょう。
◆引用
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取り扱いについて/日本年金機構
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて/厚生労働省
令和8年4月から任意継続被扶養者となるための要件が変わります/全国健康保険協会
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