産前産後休業の保険料免除の注意点

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健康保険、厚生年金保険の被保険者が、出産のため産前産後休業を取得したとき、事業主が保険者に申出を行うと、健康保険料(介護保険料を含みます)、厚生年金保険料が、休業を開始した日の属する月から、休業を終了する日が属する月の前月までの期間について免除されます。

事業主の申出は「産前産後休業取得者申出書」によって行います。この手続きに関して注意することがあります。

①従業員だけではなく役員も対象であること

産前産後休業の保険料免除は、従業員だけに限りません。役員も対象です。ただし、育児休業の保険料免除については、役員は育児介護休業法の適用を受けないため、対象とはなりません。

②産前休業中に申出をしたときは、変更届を提出する場合もあること

産前産後休業取得者申出書は、被保険者の産前休業中、産後休業中または産前産後休業終了後1か月以内に提出します。このうち産前休業中に提出した場合は、出産予定日と実際の出産日が異なった場合には、同様式にて「変更(終了)届」を提出しなければなりません。

③休業を開始した月が前の月に変更になった場合は、本人に保険料を返却すること

②の変更届によって、保険料免除期間の「休業を開始した日の属する月」が1か月早まったときは、控除していたその月の保険料を本人に返却しなければなりません。

例えば、出産予定日を3月14日、産前休業開始日を2月1日で申出したものの、実際の出産日が3月10日であり、産前休業開始日を1月28日に変更するときは、1月分の社会保険料は免除されます。

この「変更(終了)届」の申出によって、事業主が納付する保険料は、日本年金機構が事業主からの申出があった次月以降の事業所納付分によって精算しますが、事業主が控除した被保険者負担分については、事業主が被保険者本人に返却するケースが発生することにご留意ください。

以上、とある事業所の相談事案から紹介しました。ご参考まで。