会社やご自身が対象となるのか気になっている方もいるのではないでしょうか?
既にご存じの方も多いかと思いますが、今回は社会保険適用拡大についてご説明させていただきます。
社会保険適用拡大とは・・・
社会保険の適用「対象者」を拡大することです。
・厚生年金保険に加入している会社、工場、商店、船舶などの適用事業所にフルタイムで使用される70歳未満の方 ・1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数がフルタイムで使用される労働者の4分の3以上であるパートタイマー・アルバイト等の方。
これまで1週間の所定労働時間または、1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満である方、「短時間労働者」は適用対象外でした。
それを2016年10月1日から事業所の厚生年金保険の被保険者数が一定以上の事業所(特定適用事業所)で働く、一定の要件を満たした「短時間労働者」も社会保険の義務的適用対象とし、社会保険適用対象者を増やしています。
特定適用事業所の厚生年金保険の被保険者数の要件は段階的に引き下げられており、
・2016年10月~501人以上
・2023年10月~101人以上
2024年10月から厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者の社会保険加入が義務化されます。
これが2024年10月からの社会保険適用拡大です。
参照 従業員数100人以下の事業主のみなさま | 社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
該当要件
◆特定適用事業所の該当要件である厚生年金保険の被保険者数のカウントについて
1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者の総数が51人以上となることが見込まれる場合は特定適用事業所となります。
◆対象となる短時間労働者
特定適用事業所で働く全ての短時間労働者が社会保険適用対象者となるわけではありません。
以下の条件にすべて該当する方が短時間労働者として社会保険の加入対象となります。
・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
会社としてとる対応は
◆まずは
特定適用事業所に該当するか確認しましょう。
◆該当した場合
条件にすべて該当する短時間労働者がいるかどうか確認しましょう。
◆対象者がいた場合
新たに加入対象となるパート・アルバイトのみなさんに、法律改正の内容が確実に伝わるよう、社内イントラやメール等を活用し、社内の周知に努めましょう。
特定適用事業所に該当した場合に必要な手続き
①特定適用事業所該当届の提出
②被保険者資格取得届の提出
特定適用事業所に該当した場合や新たに被保険者資格を取得する短時間労働者が出た場合、その日から5日以内に提出します。
※特定適用事業所該当届の届出が不要な場合 令和5年10月から令和6年8月までの各月のうち、使用される厚生年金保険の被保険者の総数が6カ月以上50人を超えたことが確認できる場合は、日本年金機構において対象の適用事業所を特定適用事業所に該当したものとして扱い、対象の適用事業所に対して「特定適用事業所該当通知書」を送付するため、特定適用事業所該当届の届出は不要です(法人事業所の場合は、同一の法人番号を有するすべての適用事業所に対して通知書を送付します)。
社会保険の適用拡大は、法令遵守や社会保険に加入する従業員が増え会社の負担が増えるだけではなく、従業員が社会保険に加入することによって年金や医療保険も充実します。その結果、福利厚生の向上につながり、従業員のモチベーションアップも期待することができます。
参照 パート・アルバイトのみなさま ||社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省
配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま | 社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
一方、社会保険料の負担が増える為、加入を希望せず勤務時間を減らすことを希望する方や勤務時間を増やすことを希望する方もでてくる可能性があります。
特定適用事業所に該当した場合は従業員に対しての丁寧な説明、意向の確認、必要な手続き、対応を行いましょう。
◆引用資料