厚生労働省が発表した令和2年労働安全衛生調査(実態調査)によりますと、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は 61.4%で、前回平成 30 年の同調査の 59.2%から微増という結果です。
メンタルヘルス対策への取り組みは、人を幸せにする経営の一番目である「従業員とその家族」の幸せを確保します。
働きやすい職場環境づくりは、事業者としての安全配慮義務の一環でもあります。
厚生労働省では産業保健活動総合支援事業の一環として、メンタルヘルス対策を始める、あるいは実施している事業者のための助成金制度を設置しています。
その1つ「心の健康づくり計画助成金」を紹介します。
この助成金は、メンタルヘルス対策促進員の助言や指導を受けて、心の健康づくり計画を作成、実施した場合に受給できます。
助成金受け取りまでの流れは次のとおりです。
① メンタルヘルス対策促進員の訪問支援の申し込み
・各都道府県に設置された産業保健総合支援センターに、メンタルヘルス対策促進員の訪問支援の申し込みをします。
② 心の健康づくり計画の作成に係る助言・支援
・訪問したメンタルヘルス対策促進員から、助言・支援を3回まで受けます。
③ 心の健康づくり計画の作成
・心の健康づくり計画を作成します。
④ 心の健康づくり計画の周知
・従業員に心の健康づくり計画を周知します。
⑤ 心の健康づくり計画の実施
・心の健康づくり計画に基づきメンタルヘルス対策を実施します。
⑥ メンタルヘルス対策促進員による確認
・メンタルヘルス対策促進員から、心の健康づくり計画に基づいた具体的なメンタルヘルス対策が実施されたことの確認を受けます。
⑦ 心の健康づくり計画助成金支給申請
・支給申請書のほか必要な書類を添えて、労働者健康安全機構へ助成金の支給申請を行います。
⑧ 助成金支給決定通知の受取、助成金受領
・労働者健康安全機構から支給決定通知が届き、助成金が振り込まれます。
助成金額は、1法人または1個人事業主あたり一律 100,000 円です(将来にわたり1回限り)。
令和3年度の取組実施期限は、来年令和4年3月31日までです。
取組実施期限とは、メンタルヘルス対策促進員が「メンタルヘルス対策の全部または一部を実施していることを確認した日」が、この期限内であることが必要です。
支給申請の期間は、来年令和4年6月30日までです。
コロナ禍で働き方が大きく変わった事業場も多いことでしょう。
今だからこそメンタルヘルス対策を始めてみませんか。