母性健康管理

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10月から、育児介護休業法により出生児育児休業(通称:産後パパ育休)制度が始まり、子どもを育てやすくする環境が少しづつ変わりつつあります。

少子・高齢化社会(すでに「少子」社会、「高齢」社会ですが)であり、家庭だけではなく、地域で、社会で、子どもを育てやすい社会を目指していかなければなりません。

育児介護休業法の他に、男女雇用機会均等法による母性健康管理の制度もあります。

このような法律を始めとして、働く女性の妊娠や出産に関して、事業主が講じなければならない、あるいは講じるように努めなければならない措置には、どのようなものがあるのでしょうか。

母性健康管理 (対象者:妊娠中および産後1年を経過していない女性労働者)

①保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保

・女性労働者が妊産婦のための保健指導または健康診査を受診するために、事業主は、必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

②指導事項を守ることができるようにするための措置

・妊娠中および出産後の女性労働者が健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その女性労働者が受けた指導事項を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければならない。

労働基準法による母性保護規定

①産前・産後休業

・6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性労働者が請求した場合、その者を就業させることはできない。

・出産日の翌日から8週間を経過しない女性労働者を就業させてはならない。ただし、6週間経過後においては、女性労働者が請求し、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えない。

②妊婦の軽易業務転換

・妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければならない。

③妊産婦等の危険有害業務の就業制限

・妊産婦等を妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。(※妊婦は一切の危険有害業務が禁止されています。)

④妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限

・変形労働時間制が適用されている場合であっても、妊産婦が請求した場合は、1日および1週間の法定労働時間を超えて労働させることはできない。(※管理監督者の妊産婦は、労働させることが可能です。)

⑤妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限

・妊産婦が請求した場合は、時間外労働、休日労働または深夜業をさせることはできない。(※管理監督者の妊産婦であっても、深夜業に従事させてはいけません。)

⑥育児時間

・生後満1年に達しな生児を育てる女性労働者は、休憩時間の他に、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できる。

なお①~⑥については罰則規定があります。

違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。