危険有害な作業の保護措置義務

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労働安全衛生規則等の改正により、作業を請け負わせる一人親方等や、同じ場所で作業を行う労働者以外の方に対しても、労働者と同等の保護が図られるよう、新たに一定の措置を実施することが事業者に義務付けられます。

危険有害な作業とは、労働者に対する健康障害防止のための保護措置の実施が義務付けられている作業・業務が対象で、労働安全衛生法第22条に規定されている以下の規則に基づきます。

・労働安全衛生規則  ・有機溶剤中毒予防規則  ・鉛中毒予防規則  ・四アルキル鉛中毒予防規則  ・特定化学物質障害予防規則  ・高気圧作業安全衛生規則  ・電離放射線障害防止規則  ・酸素欠乏症等防止規則  ・粉じん障害防止規則  ・石綿障害予防規則  ・東日本大震災により生じた放射線物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則

法令改正の主な内容は、次のとおりです。

1、作業を請け負わせる一人親方等に対する措置の義務化

▲請負人だけが作業を行うときも、事業者が設置した局所排気装置等の設備を稼働させる(または請負人に設備の使用を許可する)等の配慮を行うこと
▲特定の作業方法で行うことが義務付けられている作業については、請負人に対してもその作業方法を周知すること
▲労働者に保護具を使用させる義務がある作業については、請負人に対しても保護具を使用する必要がある旨を周知すること

2、同じ作業場所にいる労働者以外の者に対する措置の義務化

▲労働者に保護具を使用させる義務がある作業場所については、その場所にいる労働者以外の人に対しても保護具を使用する必要がある旨を周知すること
▲労働者を立入禁止や喫煙・飲食禁止にする場所について、その場所にいる労働者以外の人も立入禁止や喫煙・飲食禁止とすること
▲作業に関する事故等が発生し労働者を退避させる必要があるときは、同じ作業場所にいる労働者以外の人も退避させること
▲化学物質の有害性等を労働者が見やすいように掲示する義務がある作業場所について、
その場所にいる労働者以外の人も見やすい箇所に掲示すること

請負契約の場合、事業者の請負人に対する配慮義務や周知義務は、請負契約の相手方に対する義務になります。
重層での請負であれば、例えば三次下請まで作業に従事する場合は、一次下請は二次下請に対する義務を負い、三次下請に対する義務はありません。二次下請が三次下請に対する義務を負います。